
中国進出の日系企業に向けて、人事・労務など幅広いコンサルティングを行います。
ここ数カ月のAI技術向上はすさまじいものがあり、本当に大きな波が来ているのだなあと実感しますね。翻訳やリサーチはもとより、文書やメール、プレゼン資料の作成などにも簡単にAIが活用され、わずかな手直しで実用になるところまで来ています。
プロンプト(AIへの指示文)の書き方についても、様々なパターンが世界中で試され、どのように使うと私たちの仕事の役に立つのか、生産性を高め、新たな価値をうみだすことができるのかが検証され続けています。例えば、
・欲しい「ゴール」と「実行する手順」を丁寧に指示する
・その仕事に最適な役割(あなたは人事の専門家として、等)を伝える
・事前に参考になるサンプルを読み込ませて、「同様の書式で」などと指示する
などの基本に始まり、より効果的なプロンプトの書き方が日々生み出されています。
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一方で、生成AIに仕事をしてもらう際に気になるのが、内部情報の取り扱いですよね。御社では、もう「生成AI利用規程」は作成済みでしょうか?他の規程以上に、社員達の日常業務執行のなかで徹底してもらわなければならないため、作成するだけではなく、浸透策(規程の説明会、勉強会など)も、かなりしっかりとおこなっておく必要があります。
これを怠ると、
・社内用のレポートを生成AIが簡単に作ってくれるからと、お客様の情報を読み込ませてしまい、AIに学習されてしまった(競合にその情報が流れるリスク)。
・オプトアウト契約(読みこんだ情報をAIの学習に使わない)にしているからと安心して、人事情報などのいわゆるセンシティブ情報を、海外のAIに読み込ませてしまい、データ越境になってしまった。
などが発生します。現時点で日系企業がこれで摘発されたとか、損害賠償になったとかいう事例はまだ聞いてはおりませんが、AIというものは、かなりリスキーで違法性のある使い方に、知らず知らずなってしまいやすいツールではあります。
RAG(自社サーバー上に登録された情報を検索し、取得したデータを基に回答を生成する技術)を社内AIに導入することも一般的になっています。この場合、既存のドキュメント類をデータベースとして登録しますので、AIからの出力は、自社データでカスタマイズされて高精度になる一方、海外のAI(例えばChatGPT)を接続していたりすると、データが海外のサーバーに一度送られてしまう、ということになってしまいますから、かなり慎重な使い方が求められます。
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1.使用可能サイト指定
会社のサーバー上に、業務用AIを構築済みであれば、原則として、そのAI以外を使ってはいけない、ということにすべきでしょう。いまやAIを手軽に使えるWebサイトが世界中に、勿論中国国内にも無数にありますが、セキュリティについては怪しいところも数多く、社員がそのようなサイトを社用PCで利用することは危険すぎます。
自社AIが構築できていない場合、下記3,の情報セキュリティ確保方法がより重要になりますが、少なくとも社内で使用してよいAIはどれか、ホワイトリスト指定は最低限必要になります。
2.AIの利用に関する基本方針
AIを何に、どう使うのかは社員の皆さまの創意工夫を促すべきではありますが、いくつか守ってもらうべき事柄もあります。
(1)AIからの出力をそのまま社外に出してはいけない
AIはもっともらしい嘘をつきますし、著作権に触れるような出力もします。部下を信用しても信頼してはいけない、というマネジメントの基本と同様、AIの仕事の結果はそのAIを操作した人間の社員にあります。
(2)AIに作成させた文書等には、「AIが作成しました」を書くことをルール化
中国では今秋から法制化されますが、いち早く社内ルールとしても定着させておくべき項目であると思います。
・・・・・・他にもまだまだありますが、人間とAIがある意味、同僚同士のように協業して働くことになってきた今の環境は、我々にとっても初めての経験です。会社としての基本方針を明確にしておくことで、社員が迷わなくて済むようにしてあげたいですね。
3.情報セキュリティの確保方法
AIに機密情報を入力することは当然厳禁です。社内で構築されたAIなら、暗号化等の対策によって、外部に情報が漏れないようにすることもある程度可能ですが、その場合でも利用する部署や社員を限定しておく運用が求められます。
海外のLLMが接続されている場合、VPNが登録済みの合法なものであることは大前提ですが、これに加え、越境してはいけない情報を読ませてはいけない、ということも徹底する必要があります。
4.AI活用の際の倫理規範
業務以外に利用してはいけない、と言いたいところですが、新しいビジネスを生み出す可能性のある活用方法なども考えられますので、ある程度は自由に使えるほうが良い側面もあります。とはいえ、
・政治的な意見を求める
・公序良俗に反する出力をさせようとする
などはやはり論外です。面白がってそういうことをしてみたい気持ちも分かりますが、だからこそ明確に懲戒を伴う禁止事項として設定しておくべきです。
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AIは、圧倒的多数の企業にとって、もはや事業運営上、避けて通ることは不可能になったと言えます。そうであれば、積極的に活用を考えることが正しい経営判断になりますが、その使い方を間違えないようにしたいですね。
マイツ蘭璽社では、生成AIの導入から活用高度化、また各社ごとに異なる環境下での運用方法まで含むご支援を行っています。ぜひご相談ください。
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【執筆者紹介】
谷公爾 Tani Koji 札幌生まれ、茨城・兵庫育ち
広島大学工学部システム工学科中退、神戸大学経済学部卒、上海在住、満58歳
2003年から中国ビジネスに関わり、とうとう滞在22年。戦略立案や営業強化、人事組織強化などのコンサルティングを得意としてきましたが、AIの登場で従来のコンサルティングは近い将来、意味を失っていくと痛感。数百に及ぶAIサービスを試しまくり、中国で日系企業がこれをどう使っていくべきかのアドバイザリーを開始しました。
AIを恐れず、信じすぎず、事業成功に向けた良きパートナーとして付き合っていくためのお手伝いができればと思っています。
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